2011年6月21日火曜日

使える英語

楽天やユニクロが社内の公用語を英語にすることが話題になってから、しばらく経った。日経ビジネスの最新号に「使える英語」という記事が載っていたので、読んでみた。日本経済がシュリンクしていく中で、海外(特に新興国)に活路を見出さなければ、日本経済の更なる発展は難しい、そしてそのために「使える英語」が必須なのだそうだ。

韓国も1997年の経済危機までは、日本と同じように英語後進国で内向きだったが、その後グローバルで戦うことを決意してから全てが変わった。今の韓国人は、日本、中国、インド、そしてアメリカの事情に精通している。韓国企業のサムスンやLG等ではTOEICのハイスコアを全社員に求めており、LGの新入社員のTOEIC平均点は900点なのだそうだ。韓国の20代~30代は猛烈に勉強している、その理由のひとつは韓国には終身雇用がないからだ。

私が韓国で聞いたところによると、企業は40代~50代の人材を解雇し、その代わりに人件費が安く、新技術に精通し、しかも英語ができる20代~30代の人材を雇用しているとのこと。40代~50代になって企業から解雇される人は、他の企業への再雇用が難しいので、多くの人がフランチャイズビジネス(他に何をしていいか分からない)をはじめるらしく、社会問題になっているらしい。徹底した市場原理が働いているのだ。確かに私がリーダーシップ研修を韓国で実施した際も、若い韓国人の英語力は高かったように思う。

しかし、私は英語力より、日本人の内向き思考と外への発信力(伝える意思)の弱さの方が問題だと思っている。自分の考えを堂々と発言できる度胸さえあれば、ブロークンな英語でもグローバルでやっていける。そうやって外国人とのコミュニケーションを続けていれば、自然に英語力もあがっていく。グーグルにいる時、いつも冗談で言っていたのが、日本人の新入社員全員は数か月間、インドで英語研修させればよい。その理由は3つある。1:コストが安い。2:新興市場のインドを肌で学べる。3:インド人の訛りの強い英語が理解できれば、アメリカ人の英語はとても簡単に感じられる。グローバル化を目指す日本企業も試してみれば良いと思う。「使える英語」は実践の中でしか身につかない。


後談:インドに詳しい友人によると、実際IHIは6週間のインド滞在集中研修を2010年に開設し、英語力・異文化理解力向上を目指して社員を派遣しているとのこと。素晴らしい取り組みですね。

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